長らく全日本を支えてきたエース、木村沙織の引退報告会。これまでメディアに掲載された会見のあとに行われた囲み取材の全容をお届けする。
――今の心境は。
木村 感謝の気持ちと、すごく緊張しています。
今月末でおわるということで、今はほっとしている気持ちと、これから何があるか分からないですけど、世界と戦うことはもう無くなるので、勝敗にこだわらなくて良いということはすごく安心しています。
――バレーボールというと、一般の方々は生涯スポーツで年配になってもプレーする。一方で第一線でやっている方は比較的選手寿命が短い。木村さんは30歳で引退を決断されたのですが、それははやいのか遅いのか。今現在のパフォーマンスが落ちたのか。
木村 私は今30歳なんですけど、自分のプレーのピークがどこだったかは自分ではあまり分かっていなくって、今シーズンのリーグも、最初はあまりよくなかったけど、後半はよくなっていて、自分としては動きはそんなにピークと変わらずに試合ができた。
プレーがうまくいかなったり、自分の思うように動かなくなってからやめるというよりは、気持ち的に、前ほど「悔しい」というのがなくなったりとか、試合に負けて、「くそー!」みたいなかんじが、ちょっと薄れてきたかなというのがあったので、プレーがどうというよりは、やっぱりアスリートである限りは、勝負にこだわらなきゃいけないと思いますし、気持ちの部分で、ちょっと薄れてきたかなと思うので、引退という風にさせていただきました。
――それは具体的にはいつくらいの話しなのでしょうか。
木村 薄れてきたのは、やっぱり一番はロンドン五輪が終わったときに。そのあとトルコリーグに2シーズン行ったんですけど、試合に出れなかったけど、なかなか試合に絶対出たいという気持ちになれなくて、「こんなんじゃ駄目だな」と思うようになりました。
――引退後、どんな家庭にしたいですか。
木村 のんびりと、ほんわかと。あったかいしあわせな家庭を築けたら。
――ブログで発表されて、引退(についての取材)を封印されてシーズンを選んだのは?
木村 東レで優勝して終わりたかったから。今までずっと、幸せなことなんですけど、常にまわりにカメラの方がいて、そういう中でずっとやらせてもらってて、最後は、東レのメンバーだけで気を遣うこともなく、ベストなパフォーマンスを出したいという気持ちもありました。最後はみんなですごくいいチームで練習もできたし、いい形で試合も戦えたのでよかったと思います。
――今シーズン、出だしが悪くて入れ替え戦もあるかもとおっしゃっていましたが。
木村 今シーズンはなかなか勝てなくて、今言われたように入れ替え戦というのも頭によぎったりもしたんですけど、年明けから、またみんなが動き始めて、最後ファイナル6は勝ちきれなくてそこで終わってしまったが、そこまでの過程というのが、だれひとりとまることもなくて、下を向く選手もいなくて、常にミーティングをしたり、勝つためにどうやったら、みんながどういう行動をとったらという細かい部分も話していたので、そういうのが最後つながってよかったなと思います。ファイナル6まで、一緒に戦わせてくれた仲間やスタッフに感謝しています。