
9月8日、バレーボール男子アジア選手権の予選ラウンド最終戦となったオーストラリア戦。日本代表がストレート勝ちで決勝トーナメント進出を決めたこの試合で、チーム2位の得点を挙げ、攻守にわたって圧巻の存在感を示したのが髙橋藍だ。
特に際立ったのが、試合の流れを決定づけた強力なサーブ。第3セット、日本が相手の粘りに苦しみ、不穏な空気も漂いかけた局面で、髙橋のサーブが冴え渡り、サービスエースを連発してみせた。
「勝つためにサーブが必要」試行錯誤が実を結んだ瞬間

連続エースを奪った髙橋藍 volleyballworld
試合後の取材に応じた髙橋は、自身のサーブについて次のように振り返る。
「勝つためにサーブがまず重要だということは、去年負けてから自分自身も強く感じていました。そのサーブ強化を常に求めながらシーズンを過ごし、VNL(ネーションズリーグ)でもトライしてきた。それが結果として出ていることは自分自身の自信になりますし、決勝トーナメントにも繋げていける形だと思っています」
第3セットでは、判定を巡る長いチャレンジの検証が入り、ゲームが中断する場面もあった。集中力が切れかねない時間だったが、再開後も髙橋のリズムは一切揺るがなかった。試合再開後、またしても髙橋藍のサービスエース。ここで一気に流れを引き寄せた。
「時間が開いてしまいましたが、あまり考えすぎず、自分のリズムを崩さずに準備していました。あの間が開いたからこそ、1点逃してしまうと相手にリズムを作られてしまう。もう1個点数を取るというところはすごく意識していたので、タイム中に『もう1本サービスエースを取ってやろう』という強い気持ちがありました」
会場を沸かせた背面アタック「見せるためではなく、点を取るため」
また、この試合のハイライトとなったのが第2セットで見せた衝撃のプレーだ。自らこぼれ球を拾い、その直後に上がったトスに対して、ネットに背を向けたまま叩き込む「背面アタック」を成功させた。会場が大きな歓声に包まれたその瞬間について報道陣から問われると、髙橋は爽やかな笑顔で答えた。
「特に『見せよう』と思ってやったわけではなくて、トスとの間合いなどをみて『点を取るため』にやったプレーです。あれでチームも会場も乗っていけましたし、決まって良かったです」
魅せるプレーも、すべては「勝利」という目的のための選択。その研ぎ澄まされた勝負勘が、会場の熱気を一気に加速させた。
写真:VolleyballWorld