
バレーボールSVリーグの開幕を1週間後に控えた時期、大阪ブルテオンのプレシーズンマッチ後に行われた甲斐優斗選手の囲み取材の様子をお届けする。
大学在学中から日本代表に抜擢され、パリ五輪の舞台も踏んだ若きアタッカー。今秋のアジア選手権ではメンバー外となる悔しさを味わったものの、その後のアジア大会では全6試合にスタメン出場を果たし、銀メダル獲得に大きく貢献しました。激動の夏を乗り越えた彼が、大会での収穫や課題、そして新シーズンへ向けた覚悟を語った。
アジア大会で得た「試合を戦い抜く力」と収穫
今秋のアジア大会では、ほぼフル出場で全6試合を戦い抜いた甲斐選手。連戦が続く過酷な環境の中で、大きな経験値を得たと振り返ります。
「やっぱり試合に出続けて得られるものがすごくあったので、それが今の大阪ブルテオンでの試合の中で生きるところが多くあります。レシーブも、特にポジションニングの位置とかも、試合の中でしか分からなかったところが、アジア大会を通してよりやりやすくなった部分が多くあるので、そこは得られた良い経験だったなと思います」
代表チームや所属する大阪ブルテオンのようなハイレベルな環境では、連戦を戦い抜くメンタルや、コート上での細かいポジショニングの修正力が求められる。「練習でやっていても、試合で試せなければ正解なのか分からない」と語る彼にとって、連戦の中で課題と向き合った日々は、確実に自身の血肉となっている。
「海外でという声もあることは知っているが、今は大阪ブルテオンが最適解だと思っている」
石川祐希選手や髙橋藍選手、大塚達宣選手といった代表選手が海外リーグに挑戦している中、甲斐選手は一度パリ・バレーでプレーしたこともあったが、大阪ブルテオンを選んだ。それは大阪ブルテオンが環境も整い、練習の質やレベルも高いことから、「レシーブのやスパイク技術の練習など、このチームでやることが最適解」だと思ったからだという。そして今季からは外国人選手がオンザコート3名までと増えた。アジア枠も入れれば4名まで可能になる。「高いブロックもSVで経験できますし、生活環境のこともありますし、自分にはここでやることが合っていると思っています」と力強く語った。
「確かに大阪ブルテオンはいい選手が多いので、出場機会を得るのは大変ですが、それをやり抜けなければ海外に行ったとしても変わらないと思うので」。
自身の課題・武器と向き合う課題:「レシーブ」と「ブロック対策」
国内では圧倒的な高さを誇る攻撃力が魅力の一方で、サーブレシーブなどの守備面に課題を抱える甲斐選手。また、アジア大会の準決勝や決勝といった大舞台では、相手のマークが厳しくなり、高いブロックに捕まる(ドシャットされる)場面も見られた。
高さや組織力が上がった国際大会のブロックに対して、彼はどうアプローチしていこうとしているのだろうか。
「(トスが)近くて低いときにそのまま打ってしまうことが多かったので、もっとこう、ひねりを入れた打ち方だったり、リバウンドを取る打ち方だったりとか、選択肢を増やしながらやるように意識しました」
単に力任せに打ち抜くだけではなく、コースを打ち分ける技術やブロックを利用する巧みさなど、引き出しを増やする重要性を痛感したと言う。また、課題であるレシーブ面についても、「数字にこだわりながら、自身の持ち味である高さを生かした攻撃を殺さないように磨いていきたい」と意気込みを見せている。
取材・文・写真:中西美雁